Gipsしたソウルフルの
蚤湧くシンパシーに命が宿る
閑古鳥さえ鳴かなくなった硝子雑貨店「breath」。
眠るばかりの店主の元に、空に話しかけている女性がやって来る。二人の背後には幽霊が佇み、互いを見合い驚いている。
今日も今日とて、何もない侘しさと惰性にかき混ぜられる一日が過ぎ去るのを耐えるだけのはずだった。
突如、熱く燃えるような痛みが走る。
店主が感じたのか、女性が感じたのか、はたまた幽霊が感じたのか……。確かなことは
生と死、出会いと別れが
突如、やって来たということ。
雨に濡れた硝子庭には、
生きることに絶望するだけの呪いと、
愛にまみれた呪いがかけられている。
早苗月のold fashioned
タツノオトシゴが宇宙を泳ぐ時
戯曲抜粋企画 vol.2
葡萄色ルージュと空っぽ愛のブルース
© skycandydrop2014.12